魚

これは昔々の物語、恐竜より前の物語。僕は魚さ。僕はこの大きな海のなかで僕たち以外の魚は見たことがないのさ。ある日僕は皆で並んで泳ぐのに疲れを感じて泳ぐのをやめた。すると群れのまとめ役をしてい奴、王魚から仲間外れにされた。

「お前はなぜ皆と一緒に泳がないのだ。皆の迷惑になっていることが分からないのか?」

「皆で並んで泳ぐのに疲れました。皆には迷惑をかけてないと思います。」

「そうかこの群れにはいたくないということだな。それなら一刻でもはやくここから出ていけ。お前に恵んで物の何も、規律を乱す、ならないわ。」

そう言って僕は群れを追い出されたのだった。

「帰ってくれば次の王。帰ってこなけりゃただの蛮勇。」

僕には聞こえていなかったが、王はそういっていたらしい。

 別に泳ぐのが嫌いなわけではない。皆同じようにしていて飽きないのかと思っていたくらいだった。ただこの時の僕には群れを追い出されたことに感謝していた。これで周りの目を気にせず挑戦することができる。深く潜ることに。

 僕は深く潜っていく。周りはだんだんと暗く冷たくなっていく。それとは反対に僕の心はやる気に満ち溢れ、心臓からあったかい血液がどんどん送られて行っていることがわかる。深く潜る中で見たこともない魚に出会った。体が非常に大きく、僕の100倍くらいの大きさの魚だった。

「こんなところでは見ない子ですね。もっと浅いところでよく見るような。」

そう非常に大きな声で聞かれた。

「僕は、深く潜っているんだ。皆にはできないことを。そう群れでいることの安心感に浸っている奴らには。」

「そうですか。無理はしないでくださいよ。あなたは私のように強くはないようだ。」

「強くはないってなんだ。」

そう言って僕はより深くへ潜っていった。

「深海の圧力や寒さに耐えられないかもしれないという話だったのですが。」

後ろのそのような心配に気づかずに。

 もっと深く、もっと深く潜っていくと、だんだんと何も見えなくなってしまった。ふと仲間も誰もいない場所なんだと寂しくなった。まえに光が見えた。その光に吸い寄せられていくと魚の歯が見えた。僕を食べようとしていた。

「なんで逃げるんだい。俺がおいしく食べてあげるよ。」

「逃げない方がおかしいだろ。食べられたくないよ。」

「そうかい、そういわずにここまで来たってことは、この世界で食べ食べられるといった競争に参加したかったのだろう?」

「そんなことないやい。」

そう言って僕は必死に逃げた。どうにか逃げることには成功したがそろそろあの場所に戻りたいなと思った。

 そう思っても周りは暗く下も上も右の左もわからない。また光っているものを見つけ今度は先ほどの魚じゃないことを願いつつ帰る方法を知るために近づいた。すると同じくらいの大きさの魚が光っていた。

「仲間に入れてよ。」

「珍しいね光っていないなんていいよ。」

そういって仲間に入れてくれたのだった。彼らとともにずんずん進む。一人の時より気持ちは軽く。進んで進んでふと気づく。先ほどよりも体が重く。水の力を強く感じる。

「君たちは何処に向かっているんだい。」

「何言っているの、生まれた場所だよ。」

「そうだそうだ。生まれた場所だ。もっと深くもっと深く。」

これ以上は体が限界。群れを離れる決心をした。

 しかし体力は限界だった。群れと逆なら上に進める。されど上に登ろうとしても、水流で下に押し流される。ふと左を見ると先ほどの100倍くらい大きな魚も上に向かっているところであった。これ幸いに、この魚についていき、エレベーターとして利用させてもらったのだった。

「おや、君はこの間の。」

「やあ、僕は家に帰るところさ。僕の家のありかをしらないかい?」

「ついてくれば、送ってあげよう。」

そう言って出会った大きな魚についていくのだった。帰りの道は行きよりつらい。だけと喜び、仲間に会える。

仲間のもとへと着くと

「帰ってきたか。仲間の大切さ分かったかい?」

「危ないこともいっぱいあって、仲間は大切だと分かったさ。ごめん皆でお泳ぐことを必要ないと言って。」

そう言って仲間には受け入れられたのさ。

「そうだ仲間は大切だ。そしてそなたの経験も王には大切さ。」

そう言って僕は次の王になったのさ。この経験は決して、無駄ではなかったさ。僕は群れの物知りさんになったのさ。そしてある時海の上の方が汚れ住めなくなったのさ。

「僕が安全な深さは知っているよ。」

と言って群れのみんなを少し深いところまで案内したのさ。あの経験が役に立った瞬間さ。そうして僕たちは助かったのさ。これで僕の物語は終了さ。いま深海の始まりあたりにいるにはそうした挑戦を経た僕たちの子孫なのさ。

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